グラントリノ

今年観た映画の中で、文句無しに一番魂を揺さぶらされた作品。イーストウッドのコテコテアメリカ中西部の年老いたじいさん(差別主義者で、礼儀にうるさいというじいさん)は、どこの国でもいそうな一見やっかい者なじいさん。白豪主義バリバリだ。自動車会社フォードにつとめていたじいさんは、自動車産業の落ち込みで、昔は多くの同僚がすんでいたであろう住宅街に一人暮らす孤独なおじいさん。周りは、中国系や黒人が暮らす地帯に変わっていき、隣家に中国系アメリカ人の家族が引っ越してくる。そこで、じいさんは隣人の子スーにこれまでなかった気質を開花させられる。息子2人にも心を開かなかったのに・・・ でも、物語はハッピーエンドでは終わらない。うちのオヤジも不器用で、子供たちに心開けずにいたんだろうなと、考えさせられた。最後は、「男だ」という言葉を送りたいエンディングでした。この作品はレベルが高いので、幼稚な映画しかヒットしない日本では興行的に失敗するだろうな。悲しい